カテゴリカルデータとは?意味・具体例・数値データとの違いをわかりやすく解説

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 「カテゴリカルデータ」って言葉、解析ソフトや教科書で見かけるたびにモヤッとしませんか?実はここが曖昧なまま集計すると、合否データの平均を出すような的外れな分析をしてしまうんです。私もメーカーの研究開発でデータを扱ってきましたが、昔は点数付けしたデータを数値と同じ感覚で集計していました。この記事ではカテゴリカルデータの意味・具体例・数値データとの違い、名義尺度・順序尺度との関係を身近な例で整理します。読み終える頃には、目の前のデータがどちらか迷わず分類できるはず。データの分類こそ、正しい分析の第一歩です。


カテゴリカルデータとは「種類・分類」を表すデータ

 いきなり結論からいきます。カテゴリカルデータとは、「種類」や「分類」を表すデータのことです。英語の category(カテゴリー=分類)が語源で、「カテゴリデータ」「カテゴリー変数」と呼ばれることもあります。全部同じものです。

  • 血液型:A型・B型・O型・AB型
  • 合否判定:合格・不合格
  • 性別:男性・女性・その他
  • 出身地:東京・大阪・福岡…

 共通点が見えますか?そう、どれも「量」ではなく「どのグループに属するか」を表しています。そのため、カテゴリカルデータでは四則演算はできません。

実務で出てくるカテゴリカルデータの具体例

 私の職場だと、こんなデータが毎日のように出てきます。

  • 外観検査の判定結果(OK / NG)
  • 不良のモード分類(割れ・欠け・変色・異物)
  • 使用した原料メーカー(A社 / B社 / C社)
  • 装置個体(1号機 / 2号機)

 不良解析をやったことがある方なら、「不良モード別にパレート図を描く」作業に覚えがあるはず。あれはまさにカテゴリカルデータの集計です。意外と身近でしょう?

⚠️ 注意:数字で書かれていてもカテゴリカルデータのことがあります。たとえばサンプルの識別番号「No.012」や、装置の「1号機・2号機」。数字ですが、「2号機は1号機の2倍」なんて意味はないですよね。見た目が数字かどうかではなく、その数字に量の意味があるかで判断します。ここ、初心者が一番引っかかるポイントです。

データ分類の全体像:カテゴリカルデータと数値データ

 カテゴリカルデータの位置付けを、データ分類の全体像で確認しておきましょう。統計学では、すべてのデータをまず2つに分けます。

  • カテゴリカルデータ(質的データ):種類・分類を表す
  • 数値データ(量的データ):量・大きさを表す
データ分類の全体像。すべてのデータはカテゴリカルデータ(質的データ)と数値データ(量的データ)に分かれる。尺度水準で分類すると、カテゴリカルデータは名義尺度と順序尺度に、数値データは間隔尺度と比例尺度に分かれる。血液型や不良モードはカテゴリカルデータ、寸法や温度は数値データ。
fig_cd01_データ分類の全体像

 本記事ではカテゴリカル側に集中します。下記に関連記事のリンクがありますので、ご確認ください。

データの分類全般について:量的データと質的データの違いとは?図解と練習問題でわかる見分け方
離散データと連続データについて:離散データと連続データの違いとは?見分け方・具体例・分析手法までわかりやすく解説【前編】

カテゴリカルデータと数値データの違いは「計算に意味があるか」

 両者の違いを一言でいうと、「計算に意味があるか」です。

項目カテゴリカルデータ数値データ
表すもの種類・分類(ラベル)量・大きさ
血液型、合否、不良モード寸法、温度、不良個数
平均の計算❌ できない✅ できる
代表値最頻値、割合(%)平均、中央値
よく使うグラフ棒グラフ、円グラフ、パレート図ヒストグラム、散布図

 たとえば合否データ。「合格」と「不合格」の平均って何でしょう?「半格」? 意味不明ですよね。カテゴリカルデータにできるのは「数を数えて、割合を出す」こと。合格率 95%、不良モードの内訳は割れが 60%——こういう集計が正しい扱い方です。

混同しやすい用語を整理:質的データ・名義尺度・順序尺度

 さて、ここからが今日一番のモヤモヤ解消パートです。統計の教科書やJMPを触っていると、似たような用語がぞろぞろ出てきますよね。

 「カテゴリカルデータ? 質的データ? 名義尺度? ……全部同じじゃないの?」

 私も勉強を始めた頃、教科書とソフトで呼び方が違って本気で混乱しました。結論はこうです。

「カテゴリカルデータ」と「質的データ」は同じもの。その中身を2段階に分けたのが「名義尺度」と「順序尺度」。
カテゴリカルデータと質的データ・名義尺度・順序尺度の関係図。カテゴリカルデータと質的データは同じものの別名で、その中身が順序のない名義尺度(血液型・不良モードなど)と、順序はあるが間隔が等しくない順序尺度(満足度・品質等級など)に分かれる。場面によって呼び方が変わり、教科書では質的データ、JMPでは名義尺度・順序尺度、Pythonではcategory型と呼ばれる。
fig_cd02_用語の関係図

名義尺度:順序のない分類

 名義尺度は、カテゴリー間に順序が一切ないデータです。

  • 血液型(A / B / O / AB)
  • 不良モード(割れ / 欠け / 変色)
  • 原料メーカー(A社 / B社 / C社)

 A型とB型、どっちが上ということはない。純粋な「ラベルだけ」のデータです。できることは分類・集計・最頻値までです。

順序尺度:順序はあるが間隔が等しくない分類

 順序尺度は、カテゴリー間に順序はあるけど、間隔が等しいとは言えないデータです。

  • 満足度(不満 / やや不満 / 普通 / やや満足 / 満足)
  • 品質等級(A級 / B級 / C級)
  • 服のサイズ(S / M / L / XL)

 満足度の「5」は「4」より上、これは確かです。でも「4と5の差」と「1と2の差」が同じ幅かというと、誰にも保証できません。人によって「満足」のハードルは違いますから。順序までは信じていいけど、間隔は信じちゃダメ——これが順序尺度です。

 ちなみに尺度には全部で4つの水準(名義・順序・間隔・比例)があって、間隔尺度と比例尺度は数値データ側の分類です。4つまとめて知りたい方は、こちらの記事で解説しています。

データの分類全般について:量的データと質的データの違いとは?図解と練習問題でわかる見分け方

まとめ:カテゴリカルデータは「ラベルのデータ」

  • カテゴリカルデータとは「種類・分類」を表すラベルのデータ(血液型・合否・不良モードなど)
  • 数値データとの違いは「計算に意味があるか」。カテゴリカルデータは数えて割合を出すのが基本
  • カテゴリカルデータ=質的データ。その中身が名義尺度(順序なし)と順序尺度(順序あり・間隔不明)
  • 数字で書かれていてもラベルならカテゴリカルデータ。見た目より量の意味があるかで判断

 後編では、「なぜこの分類が必要なのか」「実務で迷いやすいデータはどう分類するか」「カテゴリカルデータはどう分析するか(クロス集計・カイ二乗検定)」を解説します。ぜひ読んでみてください。

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